黄金色の風

仕事での出先から帰ろうとしたとき、

秋めいた風に吹かれて、

自然と二年前を思い起こした。

無性にTANKに行きたくなると同時に、

すでに存在しないその場所に切なくなった。

空をふとみあげた瞬間、

ランドマークタワーが視界に入った。

歩いて行けるんだよね。

跡地だけど…。

…行くか。

なんて軽い気持ちで歩いてしまった。

徒歩20分の距離。

何をする訳でもない。

ただ、ここに来たかった。

なんとなくこの聖地に立ち尽くしたくなった。

お台場のあの場所は誰に使われても構わない。

けど、この場所はいつまでもこのままであってほしい。

できればいつか、また戻ってきてくれたら…なんて。

さて、そろそろ帰るかな。やらなくちゃいけない仕事やらなんやらはまだまだある。先に進むために今を生きるのだ。