黄昏る才能

「めがね」 めがね
公開から約二ヶ月、漸く観てきました。 前作(と一応位置づける)「かもめ食堂」が好きだったので(DVDも買った)今作も同じような感じかなーと単純な気持ちで観てみたんですが、想像以上にゆるかった(笑)かもめよりも淡々としていて、ホントにゆるゆる。後半のある一箇所で寝落ちそうになりました。退屈で、というより、気持ちよくて、ね。でも展開が退屈で寝る人も多そうな気もする。かなり好き嫌いが別れるに違いない。 で、あたしはどうなんだと言われると正直よくわからん。同じキャスト・スタッフとは言え、かもめと世界観はかなり違うと思う。ぶっちゃければ、かもめの方が好き。「めがね」で出てきた“ここにいる才能”“黄昏る才能”ってのは自分にはないと思う。何もせずにじっとしてるのが凄く苦手だし、電化製品バンザイな人間だから。だからせめてこういう作品を見ることで、そこに自分を投じて癒してんのかな?と思う。あと、舞台・背景をわざとぼかして観る側のイメージの世界に導いてるところは面白かったかな。そういう縛りって重要じゃないんだな、と。人ってつい“理由”に拘りがちだから。あたしもそうなんだが。 かもめとの共通点は「食べ物が美味しそう」ってところ。見事にお腹すいたよ(笑)夕飯がまた「豚のしょうが焼き」で、それなんてかもめ!って心の中で突っ込みながら頂きました。「めがね」はやっぱり「梅はその日の難逃れ」の梅干かな。もうひとつ、「かもめ食堂」と「めがね」はどちらも“終わり方”がいい。サクラがタエコの編んだ赤いマフラー?を巻いて現れた時は、ついにんまり。ま、終わりよければすべてよし。